10月28日、廃棄物処理大手の大栄環境ホールディングス(神戸市東灘区)と金属リサイクル業大手のスズトクホールディングス(東京都千代田区)が、包括業務提携を締結したことを発表した。
両社出資による合弁会社として「メジャー ヴィ ーナス・ジャパン株式会社」を新たに設立するという。新設会社の資本金は1億円で、両社が折半で出資する。社長には、鈴木孝雄スズトクホールディングス会長と、金子文雄大栄環境ホールディングス社長の2人が就任予定。
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HUB’S EYE(リサイクルハブコンサルタントの目)
ドメイン(得意分野)、顧客基盤、企業規模の3つの観点から今回の業務提携の狙いを考えてみたいと思います。
①両社のドメイン(得意分野)
→大栄環境は埋立処理場の運営から中間処理、収集運搬まで手掛ける総合産廃処理企業、一方でスズトクは金属資源のリサイクルに強みを持つ
②両社の顧客基盤
→大栄環境は関西地盤、スズトクは関東が地盤
③両社の規模
→売上高は大栄環境が462億円、スズトクが519億円とほぼ同レベル
以上のことから見えてくるのは、両者対等の関係で、お互いの顧客を食い合うことなく、最大限にシナジー効果を発揮できる組み方を狙ったということ。
さらに注目すべきは両社とも産廃処理業界の中ではトップクラスの企業規模であり、この大手2社の提携は兼ねてから環境省が提唱している”日系静脈産業メジャー”の実現に向けた業界再編の始まりとも言えるかもしれません。
大栄環境株式会社について:https://recyclehub.jp/company/81000486
株式会社鈴徳について:https://recyclehub.jp/company/81000378
【参照元】
大栄環境ホールディングス公式発表
http://www.dinsgr.co.jp/release2_151028.pdf
スズトクホールディングス公式発表
http://www.suzutoku.co.jp/ho/news/news_20151027.pdf
環境省資料
http://www.env.go.jp/guide/budget/h23/h23-seisaku_pc/mat03.pdf